WinActor には「フル機能版」と「実行版」の2つが用意されています。
ちなみに僕の会社では両方とも1台ずつ使用しています。
実行版が存在する理由としては、
▼実行版が存在する理由
- フル機能版だけでは、複数のシナリオを同時に実行できない。
- シナリオが実行されている間は、フル機能版搭載のPCで作業ができない。
このような理由が挙げられると思います。
実際僕も実行版を導入してもらった背景として、2点目の理由のほうがよく当てはまっており、シナリオ実行中にフル機能版が搭載されてPCが操作できず、新しいシナリオを作りたいときに、稼働しているシナリオが終了するまで待たなければならなかったりして、作業時間を確保できないという問題を抱えていました。
では、実際に実行版にはどのような特徴があるのかをここから説明していきたいと思います。
フル機能版との違いやできること・できないことがわからないという方の参考になりましたら幸いです。
実行版ではできないこと
▼実行版ではできないこと
- シナリオの作成
- シナリオの編集
WinActor の実行版は、”実行版”という言葉からもわかる通り、シナリオの実行しかできません。
つまり、フル機能版とは違い、シナリオを作成したり、変更・編集したりということが全くできないということになります。
実行版は、シンプルにシナリオの実行のみに特化したサービスなので、導入の際はこの点は必ず認識しておく必要があります。
実行版でできること
▼実行版でできること
- シナリオの実行
- シナリオの確認(ノードの内容は見れない)
では、WinActor の実行版には、シナリオの実行ボタンしかないかというとそうでもありません。
下記画像は実行版のホーム画面になりますが、一応停止ボタンも存在します。(あまり使うことはありません。)
また、シナリオのフローチャートや変数の確認することもできます。
例えばシナリオにエラーが出たときに、グループを展開して、どこのノードでエラーが出ているかを確認できる。
ちなみに見ることができるのはシナリオのみで、ノードの内容(画面認識や変数選択など)は見ることができません。
注意点① 部分実行はできない
ここまで実行版の基本的なところを見てきましたが、ここからは注意点をいくつか挙げていきたいと思います。
先ほど「シナリオの実行ができる」というように実行版の紹介をしましたが、実は「部分実行」はできません。
フル機能版では ”この部分だけ実行したい” というときに使える非常に便利な部分実行ですが、実行版ではそれが不可能になります。
個人的な体験談で恐縮ですが、実は僕がこの部分実行ができないと知ったのは、実行版の導入後だったので、部分実行ができないとわかったときには少しがっかりした覚えがあります。
注意点② もう1台PCがいる
これは注意点というか当たり前にはなるので、記載するか迷ったのですが、実行版には実行版専用のPC端末を用意する必要があります。
フル機能版のPC端末を稼働させながら、実行版でもシナリオを回していくのが目的になるので、実行版と共に新しいPC端末を用意しなくてはなりません。
導入費用のこともあるかと思いますので、この点は忘れず見積りに入れておきましょう。
実際の運用
ここからは実際の運用について体験談を交えながら少しお話していきたいと思います。
基本的にフル機能版では、新しいシナリオの作成と編集のみをしており、実行版ではそれらの作成したシナリオを実行する、という理想的な形を実現できています。
また、フル機能版で作ったシナリオデータファイルをどのように実行版PCに移動させているかについては、一旦社内ネットワークシェアに置いた後、実行版PCのローカルに落として実行させている。
どうしてわざわざローカルに落とすのかと疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思いますが、これには理由があり、ネットワークの中に置いたままシナリオを実行すると、そのネットワークのネット環境やその時の回線状態によっては、シナリオの稼働が全体的に重かったりしたため。
いつも発生する現象ではなかったものの、シナリオ実行の安定性を重視したかったので、シナリオファイルをローカルに落とした上で実行しています。
ローカルに落とせばこの現象は全く起きることはないので、気づいてからは必ず実行版PCのローカルに落としてから実行するようにしています。
まとめ
以上、体験談を交えながら実行版導入にあたっての基本情報をおさらいしてきました。
実務においては、フル機能版で編集したあとに、自社のネットワークに置いて、実行版PCに落として実行…
こういった作業が面倒でもありますが、フル機能版・実行版の両者の用途や使い方をしっかりイメージできていれば、コストパフォーマンスが高いサービスだと実感しています。
参考になれば幸いです。